理事長挨拶

第18期理事長 植田誠治

 3期にわたる衞藤隆理事長の後を引き継ぎ、第18期理事長を務めております。
 1954年に設立された日本学校保健学会は、70年の歴史があります。学校保健の研究は、子どもたちや教職員の健康管理・疾病予防、保健教育・健康教育、学校環境衛生など幅広い領域にわたります。本学会では、それらを学問的かつ実践的に、そして医学各領域・教育学・心理学・社会科学等の学際的な協働連携によって研究しています。
 今日では、子どもたちの生活習慣や心の健康問題、教職員の健康問題、感染症の流行や地震等の災害への対応、学校安全、性や発達の問題等、学校保健に関係した課題はより広く複雑なものになっています。そして、ポストコロナ期における物事の在り方も問われるようになりました。少子化、高度情報化、国際化等により社会が著しく変化し、未来の予測が困難になっています。持続可能性、ダイバーシティ、インクルージョンといった枠組みや考え方が大切になってきています。本学会は、このような変化に対して敏感でありたいと思っています。
 本学会には、日本の学校保健をリードする様々な専門性を有する学者や学徒がおられます。また、学校三師(学校医・学校歯科医・学校薬剤師)をはじめ、学校現場にて日々の実践に励まれている教諭・養護教諭・栄養教諭・カウンセラー等もおられます。これらの知恵を結集し、社会に発信し、社会に貢献していきます。その際には、関連する諸団体との交流をさらに進めていく必要があると考えています。
 学校保健の研究は、現実的な課題解決といった側面を強く持つとともに、子どもたちの将来、そして子どもたち自身が創り出す新たな社会にも繋がる未来志向の側面も持っています。会員の皆様とともに、また新たな会員の皆様を歓迎しつつ、真摯に取り組んでまいりたいと存じます。

一般社団法人 日本学校保健学会
第18期理事長 植田誠治